豊田市美術館で年2回開催される”MUSEUM MARKET”のご縁で、ケトルの修繕をいただきました。
骨董屋さんで出会われたという、銅のケトル。さあ、使おうかと思ったら、注ぎ口の継ぎ目からの漏れが、、、💧💧
作業としては、漏れている箇所を見つけてそこを埋める・・・と想像されるかもしれませんが、注ぎ口を一旦外し、接着面を綺麗にします。ある時代のものだと、鉛を使用しているものもあり、もし使用しているようであれば接着面を見ればわかりますし、この時点で取り除きます。
このケトルも”もしや・・・”と思いましたが、使われていないようでした◎
ただ以前にも、注ぎ口を一度修繕したようで、その時のロウ付けに錫を使用していたよう。
錫は、人体に害がほとんどないと言われる金属で鍋やヤカンの内側に錫引きをしたりしますが、融点が231.9℃で金属の中では低く、空焚きすると溶けてしまう恐れがあります。このケトルも、錫でロウ付けしていたので、上記のように、空焚きで溶けて、そこから水漏れし始めたのではないかと思われました。
注ぎ口を外したケトルは、油分や汚れを綺麗に落とし、それから銀でロウ付けしました。銀の融点は961.8℃。少々空焚きをしたぐらいでは、溶けない!おそらく、これで大丈夫だと思います。
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